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津軽塗りについて

津軽塗のあゆみ

津軽塗は三百余年の歴史を有する堅牢優美な漆器で、その創始は寛文年間の頃津軽藩において、産業開発のために興されたものと云われております。

漆液の塗り・研ぎ・磨きは38~48回にも及び、俗に『馬鹿塗』とも称されるほど膨大な手間と時間を惜しみなく注ぎ込まれるため、一作品の完成まで実に3~6か月を要します。

津軽を代表する伝統工芸品として、また、日々を彩る実用品として、地域を超えて、多くの人に愛され続けています。

多彩な津軽塗 ― 代表的伝統技法 ―

唐塗(からぬり)
津軽塗の代表。穴の開いたへらで、漆の斑点模様をつけ、色漆を重ね、その色漆の研ぎ出した色彩豊かな抽象紋様。「唐」とはすぐれたものの意味。
七々子塗(ななこぬり)
菜種の実を蒔いて小さな輪紋を作り、その上に色漆を塗り込み、輪紋を研ぎ出した小紋風の粋なパターン。 模様が魚の卵(ななこ)に似ていることからななこ塗りと呼ばれています。
紋紗塗(もんしゃぬり)
黒漆で模様を描き、全面に籾殻の炭粉を蒔いてから研ぎ、つや消しの黒地に漆黒の模様を浮き出した渋くてモダンな塗り。他の地域の漆器には見られない、津軽塗り独自の技法です。
錦塗(にしきぬり)
ななこ塗の地に、古典的な唐草や紗綾型模様を書き込んだ華やかで、風格ある図柄。津軽塗四技法の中では最も新しく華やかな漆の技法です。